テニス肘/ゴルフ肘(外側上顆炎)は、改善します
なかには『治らないよ!』なんて言われて、本当にそう思い落ち込んでいる方もいらっしゃいます。的確な治療を施して行けば、必ず改善します。肘だけに限った事ではなく、1日も早い治療が1日も早い改善に繋がることは言うまでもない事実です。
テニス肘(外側上顆炎)とは?
テニス肘とは、各スポーツによる肘関節周囲の痛みの総称であり、正確には内側上顆炎・外側上顆炎と言われます。テニス肘では、主にバックハンドストロークによる前腕伸筋群の使い過ぎによる外側上顆炎、フォアハンドストロークによる前腕屈筋群の使い過ぎによる内側上顆炎に分かれます。ゴルフ肘・野球肘では、前腕屈筋群を多く使うため内側上顆炎になりやすいですね。しかし、近年ではスポーツをしていなくてもデスクワーク(PC作業)により肘を痛める方も増えてきています。
原因
テニスやゴルフで受傷する場合の多くは、肘の外側部分に繰り返しの衝撃が加わることで炎症を起こしてしまう事により発症すると言われています。デスクワークでもタイピング動作を続けていると指を反らす動作により肘の外側に繰り返しの衝撃が加わることで症状を引き起こすといわれています。
外側上顆に付着する筋肉
画像
①総指伸筋 ②肘筋 ③小指伸筋 ④回外筋 ⑤尺側手根伸筋 ⑥長橈側手根伸筋 ⑦短橈側手根伸筋 ⑧尺側手根屈筋:この筋肉は、同じ外側に付着しますが治療家にも意外と忘れられがちな重要な筋肉です。※腕橈骨筋
外側に付着する筋肉はこれだけ存在します。しかし、外側に付着している筋肉だけがテニス肘の原因となっているわけでもありません。前腕側の腕橈骨筋をはじめ上腕側:上腕二頭筋・上腕三頭筋、上腕筋。また肩甲骨周囲の筋肉やアライメントがテニス肘に原因となっているケースも少なくありません。多くが必ず関係していると言っても過言ではありません。
症状
- 荷物が持てない
- ペットボトルのふたが空けられない
- 雑巾を絞ると痛い
- クラブやラケットをフルだけで痛い
- 顔を洗う動作で痛い
- ペンで書くのが痛い
- 肘の曲げ伸ばしだけでも痛い
などなど数え上げたらきりがありません。この中でも5番6番7番となってくると症状が少し重くなっている状態です。ここまで痛みが強くなると回復には時間が掛かる可能性が高いです。やはり早めに対処することをお勧めいたします。
未分化の組織(外側上顆症)
肘だけでなく関節周りの痛みは、未分化の組織が発生してしまう。これは欧米で発表された新しい知識で、外側上顆症ともいわれています。この未分化の組織が関節の曲げ伸ばしの際に挟まってしまい痛みを生じたり、神経に悪さをしてしまい痛みを生じると言われています。肘の痛みの原因として考えられるのは「未分化」の組織です。人間にはもともと自己治癒能力が備わっています。たとえば膝をすりむいてもしばらくするとかさぶたが出来て傷がふさがりますよね?それと同じようなことが外側上顆炎でも起こりうることがあります。
この未分化の組織が形成されている場合には、その組織を一度壊さなければいけません。つまりただ揉みほぐすだけでは症状の改善は難しいということです。当院では治療器や筋膜リリース、徒手による強刺激など状態に合わせた方法で未分化の組織を一度壊していきます(イメージ)。治療直後は少し痛みを伴うことがありますが、2~3日後にかなり痛みが抜けるケースが多いです。
予防と対策
まずスポーツされている方や肘を酷使している実感のあるご職業の方は、やりっ放しの方がとても多いです。プロではありませんので身体のケアをしていない方が殆ど。一般の方こそスポーツをしたら身体のケアをしてください。マッサージ、ストレッチなど日頃からやり続ける事が重要です。急に痛めるわけではありません、積み重ねにより溜まっていたものがたまたまその日のテニス・ゴルフ中に痛みを出し始める事が殆どです。
特にスポーツをしていないデスクワークの方、1日何時間もタイピングやクリックをしているという方はやはり仕事の仕方を変えないといけません。
そして、どちらにせよもし違和感を覚える瞬間があった際は、そのまま放置したり独自でストレッチしたりせず必ず整骨院へご相談下さい。
エルボーバンドはした方が良いの?
テニスを好まれている方では知らない方も少なくないかと思いますエルボーバンド。痛みの軽減・負荷を減らす効果は期待できるかもしれませんが、その症状を改善するという意味ではあまり期待できないと考えます。痛みを負荷を減らしテニスを続けていることで患部は悪化していく恐れがとても大きいです。どうしても出場しなければいけない試合があるなどやむを得ない場合を除いては、エルボーバンドに頼りすぎるのはおすすめしません。
テニス肘/ゴルフ肘/外側上顆炎の改善に必要な事
① 痛みの出ている部位をしっかり確認する事
肘周りの筋肉といっても各指を動かすために複数付着しています。上記の錦織選手の写真、上記の画像をみてもおわかりかと思いますが、肘にかなりのストレスが掛かっていることが確認できますよね。
② 痛みの出ている部位によって治療方法を変えています(当然の事)
テニス肘/ゴルフ肘と言っても痛みの出現している部位がやはり異なります。大概多いのは、中指を動かす筋肉ですが、人差し指、薬指なかには親指、小指を動かす筋肉まで傷めている方もいらっしゃいます。外側上顆/いわゆる肘の外側の骨(出っ張った部分)が痛い方も多いですね。
ただ、やみくもに上腕:前腕のマッサージとビリビリトスポンジのついた電気療法やマイクロ波などで温める治療では、いつまで経っても改善が見られないケースが多いです。
大事なことは徒手検査による受傷部位の特定とどこを治療するかの判断する知識と技術。
そして、患部に治療効果の高い治療機器を選択して使用できるかどうかです。本来、上記は当然の事なのですが保険診療に頼っている整骨院/接骨院では、なかなか行っていないのがまだまだ現状です・・・
③ 治療を一日も早く開始する事
これは、どんな症状にも言える事です。そのうち治るだろうとつい思ってしまいますが、肘に違和感を覚えたらすぐにご相談ください。
最善は、違和感を覚える前にメンテナンスをしておくことです
④ 諦めない事!
これもどんな症状にもどんな分野にも言える事です
『諦めたら終わり』
それはそうですよね。本人が諦めてしまっては元も子もありません。論外ですが、治療している先生にもはじめから本気で治そうとしている先生も多くはないかもしれません。患者さんが諦める前に先生が諦めているケースもあります・・・(もっと論外ですね)
テニス肘/ゴルフ肘に有効な治療機器
① 特殊治療器/定電流治療器AAP
あの有名テニスプレーヤーが所持している機器です。肘の痛み/成長痛/オスグッドなどなどスポーツ外傷に効果を発揮しています。
② 超音波治療器/立体動態波
最近では使用している院も増えていますが、オリンピック選手やMLB選手などトップアスリートも使用している治療器です。最低限、備えておきたい機器ですね。筋肉の深層にまで効果を発揮することが出来る治療器です。様々なモードがあり急性期から慢性期、アスリートのパフォーマンスまで多岐にわたり効果を発揮します。
③ 筋膜リリース
これまでの治療に加え、アメリカで使用されている器具を使用して施術します。負担の掛かりやすい肘の癒着を剥がし、筋膜を整えます。この治療によりさらに治療の幅が増え、改善のスピードも速くなりました。筋肉だけでなく、筋膜。とても重要です!